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障害者保健福祉部 機関紙
まぁ、よんでみて!
第4号

(テキスト版)

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第4号 2003年 春号
発行:(社)大阪府理学療法士会 障害者保健福祉部
〒540-0003大阪市中央区森之宮中央2-4-7  TEL. 06-6942-7233
印刷所:身体障害者授産施設 大阪ワークセンター
〒594-0031 和泉市伏屋町 5-10-11  TEL. 0725-57-0883




〜ほがらか川柳〜

ひとりでは ないよと 月がついて来る 
中橋トシエ    
散歩道 どないでっかと 友が増え 
庄村  豊     

そこまでが 近くて遠い マヒの足 
野里 勝子    

二人分 入ってうだる 介護の湯 
大橋貴美子    


野里 猪突  選

まぁ、よんでみて!
水彩画 小嶌龍次さんの作品(右片麻痺)
「ねこ」



特集

知ってますか? 障害者手帳の活用法

大阪労災病院メディカル・サポートセンター
医療相談員  佐野 雅美

 身体障害者に関する色々な福祉制度を受けるには身体障害者手帳の取得が必要ですが、手帳を取得することにより、どのようなメリットがあるのか分からず申請されていない方や、すでに取得されている方でもその内容をあまりご存じない方が少なからず見受けられます。
 今回の特集では、身体障害者手帳の取得によってできる医療費負担の軽減と各種減免・割引制度をご紹介いたします。あまりご存じない方に理学療法士の方々からも情報提供していただき、少しでも障害者の方々の参考になれば幸いです。


医療費負担の軽減

  身体障害者手帳により可能な医療費助成には、(1)重度障害認定によるものと、(2)更生医療によるものの2種類があります。(1)重度障害認定による負担軽減の対象は一級と二級の障害が対象となりますが、二つ以上の障害が重複している方の場合は、それぞれの障害指数をたし算することで、障害等級とは別に認定等級が出されます(下表)。

障害等級
障害指数
認定等級
指数の合計
1級
18
1級
18以上
2級
11
2級
11〜17
3級
7
3級
7〜10
4級
4
4級
4〜6
5級
2
5級
2〜3
6級
1
6級
1
7級
0.5
   

例)
  右股関節機能全廃  障害等級4級(指数4)
  左股関節著しい障害 障害等級5級(指数2)
  腎臓機能障害    障害等級3級(指数7) 
  指数合計 4+2+7=13 → 認定等級2級


  その認定等級が一級か二級であれば対象となります。肢体不自由で言えば上肢・下肢・左側・右側等のたし算をすることができます。関節リウマチのような複合する障害、片麻痺のような運動障害に失語症のような言語機能障害が加わる場合や、まったく異なった病気から起こる機能障害でもたし算ができます。単独でも、たし算をしても重度の機能障害と認められれば、健康保険の種類や本人の所得制限の条件はありますが、健康保険負担分(1〜3割)に対して医療費助成が受けられ、医療機関の窓口負担をなくすことができます。この制度には疾患の種類や医療機関の指定などの制限はありませんが、障害者自身が被保険者である場合は一部に適応外があります。それに対し、(2)更生医療による助成の対象は等級に関係なく手帳の所持者および該当者で、該当する障害を軽減するための手術などの治療に対し、指定医療機関で適応が受けられます。世帯の所得により自己負担がありますが、健康保険法による高額医療費助成に比べると一般的には有利で、人工関節などの治療に多く利用されています。


減免・割引制度

 これらの制度については地域により多少の違いや対象者の規定がありますので制度を受ける場合は確認の必要があります。

  1. 自動車税・自動車取得税の減免は手帳所持本人もしくは生計を共にする者が自動車を取得した場合の取得税や毎年支払う自動車税を免除される制度です。軽自動車税も同様です。
  2. 所得税および住民税の所得控除や、相続税・贈与税等が非課税扱いになります。
  3. マル優制度の適応では最大活用で1050万円を限度として利子等が非課税になります。詳しくは郵便局・金融機関にお問い合わせください。

  割引制度は、交通関係ではJR・私鉄・バス・航空・船舶・タクシーや有料道路の料金の割引があります。 その他、郵便料金やNHKの受信料、映画館・演芸場の割引などがあります。 これらの内容は、手帳交付の際に渡される福祉の手引きに詳しく記載されていますので、お持ちの方は是非一度、お読みになってはいかがでしょう。
  障害等級が低いからといって、申請していない方は、今一度確認してみてはどうですか? 利用できるのに利用していなかった制度があるかもしれませんよ。




フェスピック代表に選ばれて フェスピック射撃日本代表 寺井亜季

フェスピック射撃日本代表 寺井亜季 射撃日本代表選手に選ばれて以来、試合が終わるまで本当に緊張の連続でした。「そんな大役を自分が果たせるのか?」と言う不安が襲い掛かかり、そんな折に会社で発令された人事異動による新しい部署、業務への不安、射撃と仕事の両立が思うように行かず、自分の不器用さを改めて感じました。そして韓国は例年よりかなり寒く、体調の自己管理の大切さも考えさせられ、「セルフ・コントロール」が今後の自分への課題の一つとなりました。
  試合中の事は緊張しながらも集中しているのであまり覚えてはいないのですが、なかなかリズムが掴めず制限時間内ギリギリで撃ったので、周りはかなり心配していたようです。射場は選手村から遠く、バスで1時間程かかるので、往復の車内で各国の選手と交流が持て、特に射撃の韓国選手や、その家族の方々が試合では敵国にも関わらず、試合中も応援してくれ、審判のミスがあったときは励まし、メダルをとった時は一緒に喜んでくれました。
 フェスピックの開催期間は約10日間ですが、実際の試合は中5日間ほどで、試合が終わると、気持ちにも余裕が出てきて、他競技の日本選手、各国の選手達、そして韓国のボランティアの方々と話をしたり、食事に行ったりと楽しかったです。ボランティアの方々は本当に親切で大変お世話になりました。
 結果として銀、銅、2つもメダルが頂け、楽しい思い出にする事が出来ました。そして、やはり私達障害者だけでは出来ない事が多々あり、それをいつも支え、応援してくださる各関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。




寺井 亜希 さんについて
 フェスピック(極東・南太平洋障害者スポーツ大会)は、障害者スポーツの普及を目的に創立され、今回で8回目、40ヶ国が参加しました。今回寄稿いただいた寺井さんは、キャリアウーマンである傍ら、2年前から射撃を始め、日々練習を重ね見事二つのメダルを獲得されました。ここにその栄誉を称えたいと思います。




文化系サークルの紹介 その(1)

ファインプラザ大阪 文化教室

陶芸教室の風景 ファインプラザ大阪では文化教室として絵画・マジック・ちぎり絵・書道・陶芸その他にステンドグラス・パンつくり体験など実施しております(写真は陶芸教室)。
 それぞれ障害者優先の申し込みとなっておりますが、参加者の障害の範囲は多岐にわたり、知的・身体・視覚・聴覚とそれに健常者も含め、幅広く障害者の社会参加を目的とした「交流の場」としております。教室終了後もそれぞれのクラブ活動に参加され、余暇活動を楽しんでおられます。


連絡先ファインプラザ大阪
電話:072(296)6311


これからも色々な文化サークルを紹介していきたいと思っています。お楽しみに!




経・験・談

高石市立総合保健センター
理学療法士 嵯峨山 節子

仕事とボランティア
 視覚障害者の方と私のお付き合いはもう30年以上になります。理学療法士養成校時代に点訳やガイド(手びき)のお手伝いをしながら、仲間同士としてハイキングを計画したりその当時の社会問題、障害者問題を一緒に考えたりしました。自分がこれから勉強し理学療法士になろうと思う“熱き時代”に彼らと出会えたことは大変プラスになっています。今私は、保健センターで40才以上の障害を持った方や、高齢により機能低下をきたした方の在宅生活支援の仕事をしていますが、視覚に障害を持った方が意外に多く、特に中途失明の方の援助は大変です。リウマチ、糖尿病等々の合併症があり、その上高齢であればある程全介助に近い日常生活を送らざるを得なく、本人の意欲をひき出しながら、白杖による屋内での移動(歩行)の自立を指導します。特に運動不足からくる廃用症候の事も考え、保健センター等の広い訓練室や廊下を歩行訓練コースに設定し、しっかり歩いてもらっています。ボランティアさんの助けに頼らず、一人でトイレに行けた時の喜びはご本人さんだけでなく本当にうれしいものです。
 視覚障害の方にとって「白杖」の大切さを実感しています。ただ、高齢になればなる程、白杖を使いこなし、頭の中で自分の位置を常に確認するという作業は大変なことのようです(本格的に訓練が必要な人には日本ライトハウスを紹介しますが)。
 仕事以外では、最近、乗馬大好きの全盲の女性の依頼でモンゴルに行く機会を得ました。あの広いモンゴルの草原で馬と一緒に走りたいという思いをもたれたからです。ボランティアをする私たちもモンゴルは初めての為、どれだけ彼女の思いを満たすことができたかは定かではありませんが、風の方向や、羊・馬の臭い、虫の飛びかう羽音等までモンゴルの草原の広さは感じられたと思っています。モンゴルへ行く事によって“広さ”ゆえにおこる医療の問題や、障害を持った方のリハビリの実情等も知ることができ、この国でのお手伝いも少しずつ考え始めている“熟年理学療法士”です。


日本ライトハウス(ホームページはこちら
   視覚障害者リハビリテーションセンター
   電話:06(6961)5521





編集後記

 4月からの支援費制度の導入、介護保険の見直し、年金・医療費の改定など、社会保障の制度や内容が変わろうとしています。これを機会に、自分あるいは身のまわりの人が受けられる様々な制度、サービスについて勉強してみませんか。知っていると便利な、あるいはお役に立つサービスが見つかるかもしれません。
 ということで、第4号は、障害者手帳のメリットのひとつ、「障害者が受けられる医療費負担の軽減と各種減免・割引制度」の紹介です。ぜひ、身近の人々に教えてあげて下さい。
一矢






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