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障害者保健福祉部 機関紙
まぁ、よんでみて!
第8号


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第8号 2004年 夏号
発行:(社)大阪府理学療法士会 障害者保健福祉部 〒540-8790 大阪市中央区常盤町1-4-12-301 TEL. 06-6942-7233
印刷所:身体障害者授産施設 大阪ワークセンター 〒594-0031 和泉市伏屋町 5-10-11  TEL. 0725-57-0883

ほがらか川柳(脳卒中友の会「ほがらか会」作品)
ラッキーカラー今日
赤色着ています
百瀬 百子

るときめきをしたらしい
香西 香子

バイキング欲ばりって宿
大橋 貴美子

やかにパン
野里 勝子

野里猪突 選
マッチ棒作品
「堺 大浜灯台」   縦120cm・横90cm
高石市障害者福祉センターの作業療法グループワーク10名で作製されたマッチ棒約25.000本を使用した作品です。

今月の特集!!
障害者のグループホーム

 グループホームをご存知ですか?
 今回は、最近注目されつつある、身体障害の方のホームについてご紹介いたします。



  グループホームは数名の利用者が、世話人さんの援助を受けながらマンションなどを借りて共同生活を行うものである。1ホーム4人から7人が、原則一人一部屋と皆が交流できるスペースをもった住居で生活している。昼間は会社や通所施設等に通い、そこで得た給料や障害基礎年金等で家賃や食費、光熱水費の生活費を負担し、自立生活を送っている。
 家族との生活か施設入所かという選択肢しかなかった障害者にとって、地域における生活の場となるグループホームの存在は大きい。
 また、グループホームは施設や家族から離れ、他人からの介助を受けながら、自分の生活をセルフマネージメントしていくための力をつけていくための実体験の場としての重要な役割も担っていると考えている。
 しかし、グループホームは知的障害者を対象としたものが多く、身体障害者グループホームは府下にはほとんど設置されてこなかった。身体障害の場合は、住宅を改造するなど工夫をしながら、家族の介護を受けて生活されている場合が多い。また、ヘルパー等の介護を得て単身生活するという独立した生活を希望され、行政機関などに要求し実現された方も多いからである。
 現在、居宅支援費サービスの対象となっているのは知的障害者のグループホームだけで、身体障害者のグループホームは対象とはなっていない。ちなみに府下には現在、東大阪、守口、大東の3カ所のみである。
 なお、平成16年度大阪府の新規事業として身体障害者グループホーム事業が予算化された。これは、従来のグループホームへの助成に加えて、生活の質の向上を図るとともに、自立支援に向けた訓練機能を拡充するための費用を上乗せ補助する形のものである。
 現状ではまだまだ需要に見合った予算額は低く、府下に浸透するという勢いにはなっていない感もあるが、この新規事業をきっかけに、利用者それぞれの利便にかなった身体障害者グループホームの設置が進むことを期待したい。

『オーストラリアのグループホーム』
理学療法士  肥塚 二美子

 オーストラリアは国連『障害者の10年』の中で、1986年『障害者サービス法』を政策として打ち出しています。この目標は(1)生活の場の確保 (2)権利保護運動 (3)雇用拡大 (4)自立生活 (5)情報とその手段の普及 (6)出版援助 (7)レクリエーション?余暇活動です。この(1)と(4)を受け、現在オーストラリアでは一般的な身体障害者施設で生活している障害者はほとんどいません。地域の中で生活するグループホーム(4〜6人)が多くなり、1986年には在宅介助サービス制度が導入されました。本制度は16歳〜64歳までの障害者が介助者を雇用できるものであり、その費用は政府からサービス機関に対して支払われます。また公共交通機関として、ステップバスの導入やタクシー料金補助制度もあり生活がしやすくなっています。またハーフウェイハウスと言われるものもあります。以前は知的障害者や引退後の高齢者のためのグループホームが多かったのですが、最近身体障害者用も建設されるようになりました。
 1999年、私が研修で行ったグループホームは身体障害者4人用でした。新築バリアフリーの建物はリフトや身体障害者用のトイレを整備し、リビングやダイニングは共同、約20畳の個室がありました。障害は頚髄損傷者3名(1名はC5レベルで電動車いす)、小児マヒ1名で、幅広い年齢層でした。ホームヘルパーは朝昼晩と3回2〜4時間来訪し身辺介護と家事介護を行っていました。それとは別に短時間で入ることもあるようです。この費用は上記のように国から出ています。身体障害者は「施設入所」ではなく「在宅」を基本にしているため「ホームヘルパー制」が整備されていました。なによりも「あたりまえに人として地域の中に住み、生活している」ということが感じられ、人権が尊重された国であることが印象的でした。



『カナダのグループホーム』                
作業療法士 岡 みどり

 2000年12月クリスマス近くに人工呼吸器をつけながらピアカウンセラーをしている頚髄損傷の方を全国頚髄損傷連絡会で招く為カナダへ行き、そこで2つのグループホームを見学する機会がありました。場所はカナダBC州バンクーバーで、ここでは行政・当事者組織・リハ病院が連携をもちながら頚髄損傷者が地域で自立生活ができるためのプログラムを展開していると聞いていました。わずかな滞在なのでほんの印象です。
 1つは人工呼吸器使用者の為のホームで、行政が運営していたと思います。数名の人が生活されておりましたが基本的に単身者のものです。玄関を入ると広い部屋とダイニングがあり、ここで家族と過ごすことができます。近くの美しい公園にもスロープでアプローチでき、各部屋は8畳程度でそう広くないですが、古いながらもパソコンやホイストが設置されていました。ケアスタッフが交代勤務でケアにあたっていました。浴室は共同でした。
もう1つは、当事者組織が運営しているもので公営住宅のフロアをホームにしているところで、各部屋にバス、寝室、居室がついておりました。ここは夫婦世帯も入ることができ、また仕事にも通っているとの事でした。居住者は共通のダイニングで食事を割と好きな時間に取ったりしていました。
 いずれのホームも、町の中心からそう遠くなく、スロープバスでいろいろな所へ行けるようになっており、生活スタイルも個々人様々でそのスタイルをできる限り尊重されるようにケア体制が組まれているように感じました。居住地区に建てられており、一般の住宅と違和感がなかったのも印象的でした。また人工呼吸器を装着しながらも普通に会話をし、電動車椅子で何処へでも出かけていく生活をされているのは、やはり衝撃的でした。生活拠点と言うのは大事ですから、日本にもこういった取り組みが行政当事者連携して行なわれるといいモデルになるのではないかと思いました。






茨木市立障害福祉センターハートフル  永友 良純

 『ふうせんバレーボール』は、1989年に北九州で生まれたものです。障害者スポーツといえば、障害者だけでプレーする競技が多く、また、自分で動けない人のスポーツは非常に少ないのが現状です。このふうせんバレーボールは、障害のある人とない人が、同じコートの中で「対等な立場の選手」として参加できるスポーツです。
 コート(ネット)は、バドミントンコートを利用します。ふうせんは直径40cmで、鈴を二個いれます。選手は、ハンディレベルにより障害のある選手3〜4名、障害のない選手2〜3名で構成します。詳細なルールはインターネットで検索してください。
 大阪府下では、茨木市立障害福祉センターの利用者が中心となり平成11年の第10回記念全国大会に大阪府からは初参加し、その後、茨木市障害者生活支援センターを中心に普及活動を行い、平成12年9月に箕面市の稲スポーツセンターで『ふうせんバレーボール講習会』を開催、平成13年1月に堺市、同年3月に茨木市などで大阪府障害者スポーツ教室を開催しています。
 その茨木市立市民体育館で行われた講習会の時に「FV大阪」の山下鉄哉選手と出会い、大阪でも広めていこうということで意気投合し、一緒に活動しています。今回、その山下選手に第14回全国大会に初参加した時の様子を聞いてみました。
 『僕は10年前の春に山口県光市でふうせんバレーボールを経験してはまってしまいました。一昨年の夏に「FV大阪」を立ち上げ、練習を重ねて、去年の秋に福岡・小倉で行われた「全国ふうせんバレーボール大会」に参加しました。さすが、発祥地にあるふうせんバレーボールのチームばかりで、レベルが非常に高くサーブにしてもアタックのようなボールが飛んでくるので、それにびっくりして打ち上げられず、たとえ皆にまわせたとしても相手が取りやすいふわっとしたボールを返すのがやっとだったので、見る見る間に得点差が広がり、4戦全敗で大阪に帰ってきました。しかし、我がチームに何が足りないのかわかったので、さらに練習をして今年こそ勝ちたいです。(毎月第1・3日曜日にトモノス東淀川で練習しています。)
 ふうせんバレーボールチームは、現在大阪に3チームしかなく対戦相手に困っていますが、僕は実行委員長として、5月30日に第1回大阪府ふうせんバレーボール大会を、大阪府立吹田養護学校で開催しました。もっと大阪にチーム数を増やしていきたいという思いで続けていきます。





Open The Mind  日を増すごとに暑さも増し、開放的な夏がやってきました。
 今号では、グループホームについて特集しました。身体障害者については、まだまだ問題点は残っているようですが、理学療法士として様々な形の自立を支援していくことが、重要となっていくのではないでしょうか?
 今年の夏も、頑張って乗り越えましょう!
(愛)

Open The Mind
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