障害者保健福祉部 機関紙
第9号 “まぁ よんでみて”に関するご意見・ご感想は
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第9号 2004年 秋号 発行:(社)大阪府理学療法士会 障害者保健福祉部 〒540-8790 大阪市中央区常盤町1-4-12-301 TEL. 06-6942-7233 印刷所:身体障害者授産施設 大阪ワークセンター 〒594-0031 和泉市伏屋町 5-10-11 TEL. 0725-57-0883 |
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「勝利の瞬間」川端 勲さん |
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脳卒中友の会「ほがらか会」作品 野里猪突 選
北に風吹いて球児の夏終わる
百瀬 百子
バトミントンの汗すくすくと孫育つ
庄村 葉月
アテネとの時差が作った眠い朝
野里 勝子
元気出る朝一面の五輪記事
中橋 トシエ
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アテネパラリンピック! 障害者スポーツ特集! |
大阪府立看護大学総合リハビリテーション学部 奥田 邦晴 |
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今日、スポーツはもっとも親しみやすいレクリエーション手段の一つとして広く社会に受け入れられています。このような中で、長野冬季パラリンピック以降、シドニーそしてアテネパラリンピックと障害者のスポーツ活動がますます盛んになってきています。障害者のスポーツは特別なスポーツではなく、障害のためにできないことや安全上してはいけないことがあるために、ルールや利用する補装具などに工夫を凝らして行う障害者のためのスポーツです。歴史的にはもともと健康増進や体力向上などを目的としてリハビリテーション医療の一手段として取り入れられ、その成果が大きかったことが今日までの発展の基礎となっていますが、現在では一般のスポーツと同様、楽しみとして行っていたり、より競技性が高い本来のスポーツの意味合いも強まってきています。 種目数も個人競技、団体競技ともに非常に多くなってきており、比較的軽い障害の人たちを対象としていたものが、重い障害がある人たちまで幅広く参加できるものになってきています。 しかし、まだまだ自分がスポーツするなんてと躊躇されている方が数多くおられることも事実です。食わず嫌いになっていたり、自分とは全く無縁のものと考えておられる方や自分にあったスポーツなんてないと思っていらっしゃる方もおられるでしょう。 そこで、スポーツの紹介を行うとともに、スポーツを行うことにどのような意義があるのかについて記してみたいと思います。 障害者のスポーツには、陸上競技(トラック・フィールド・車椅子マラソン・視覚障害者マラソン)、水泳、車いすバスケットボール、ツイン車いすバスケットボール、車いすテニス、シッティングバレーボール、電動車いすサッカー、ウイルチェアラグビー、ボッチャ、アーチェリー、卓球、柔道、自転車、馬術、ゴールボール、パワーリフティング、シンクロナイズドスイミング、セーリング、カヌー、ビームライフル、アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイススレッジホッケーなど数多くの種目があります。それぞれの種目の具体的な説明は省略させていただきますが、各種目には一人でも多くの障害者が平等な条件のもとで競技へ参加できることを可能にするために考案されたクラス分けシステム(障害区分)があります。このクラス分けの方法は種目によって異なっています。例えば、障害の度合いにより水泳の自由形では最重度のS1から軽度のS10まで10のクラスがあり、車椅子バスケットボールではそれぞれの選手に持ち点が与えられ、チーム間での平等性を保つために出場選手5名の合計が14点以下で構成されることが義務づけられています。また、ボッチャでは、脳性麻痺のクラスであるC1〜C8の中で最も重い障害のクラスC1、C2のみが出場できます。 楽しく汗を流すレクリエーションからパラリンピックのような競技スポーツまで、人によって取り組み方は異なりますが、それらの目的は、筋力増強、健康増進、ストレス解消、楽しみ、生きがい、交流の場、自己実現など、自立生活を支える一手段として大きな意義を有しています。障害者のスポーツは自分自身はもちろんのこと周りの人たちにも大きな影響を与える可能性があるとともに、新たな夢や目標を持った豊かな人生を送るためのきっかけや大きな礎になり得るものです。 さぁ、生涯にわたって障害者のスポーツを楽しんでみませんか。 |
をやってみませんか? | |||||||||||||||||||||||
茨木市立障害福祉センター ハートフル 永友 良純 |
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手軽に、いつでも、どこでも、子供からお年寄りまで誰でも楽しめることから、最近人気の「ディスコン」というスポーツをご存じでしょうか? 大阪府ディスコン協会では高齢者の生涯スポーツとして、ディスコンの普及に努められてきました。今年からはさらに障害者への普及も「草の根普及活動」と称して積極的に行われています。今回、大阪府ディスコン協会副会長でシニアインストラクターの若尾隆一さんにディスコンの面白さについて伺ってきました。
このように若尾さんは、「誰でも、どこでも、気軽にできるディスコンをぜひ体験し、各地で広めて欲しい」と呼び掛けられています。是非皆様もこの楽しさを体験してください。 詳細は大阪府ディスコン協会まで 〒573-0093 枚方市東中振1-1-18 FAX 072-833-7325 |
スーツスイミングとは、スキューバーダイビングのときに着用するウエットスーツ・ゴーグル(水中眼鏡)・フィン(足ひれ)を使用し行う水中運動です。大阪府立障害者交流促進センター(ファインプラザ大阪)のプールにて変形性股関節・膝関節症、腰痛症、肥満症、頚髄損傷、脳卒中の方を中心に行っており、来年で20年目を迎えます。ウエットスーツは独立気泡ゴムでできており、着用することで身体全体に浮き輪がついた状態と同じようになり、水泳経験のほとんどない人でも簡単に浮く事ができます。このような浮力を利用しリラクゼーション・腹筋の筋力増強等、体幹を中心とした全身運動を行います。
運動内容は、全身の緊張のリラクゼーションを目的に水面にて浮き身(仰向けで浮く)を取ります。これにより背筋(腰の筋肉)の緊張を和らげていきます。
次にあたかもイルカが泳いでいるようなドルフィン泳法(図2)という腹筋を利用して泳ぐ方法があります。 このほかに水中歩行や股関節や膝関節の筋力増強訓練や、ストレッチ体操なども行います。 水中では、浮力があるため関節にかかる重量を減らすことができ、つたい歩きが何とかできるが普段は車椅子に乗っていたり、杖がないと歩けない人でも水中では一人で歩くことができることがあります。特に頸髄損傷の不全麻痺の方には非常に大きな意義があります。水中なので、転倒による骨折などの事故の心配がないということが、気持ちを楽にし、積極的かつ大胆に歩くことを可能にします。 もうひとつこの会のイベントとして、年一回の旅行(過去にグアム・サイパン・沖縄など)や宴会などがあり、運動よりもこちらを一生懸命に取り組まれる方もおられます(笑)。
もしスーツスイミングに興味がある方は見学にお越しください。みんなでプールに入って童心に戻りましょう。 |
日本ろう者スポーツ協会 | 日本障害者フライングディスク連盟 |
日本車椅子バスケットボール連盟 | 日本車いすフェンシング協会 |
日本身体障害者アーチェリー連盟 | 日本身体障害者アイススポーツ連盟スレッジホッケー委員会 |
日本身体障害者水泳連盟 | 特定非営利活動法人日本盲人マラソン協会 |
日本視覚障害者柔道連盟 | 日本ディスエイブル・パワーリフティング連盟 |
日本車椅子ツインバスケットボール連盟 | 日本障害者卓球連盟 |
日本身体障害者陸上競技連盟 | 日本視覚障害者卓球連盟 |
日本障害者バドミントン協会 | 日本知的障害者スポーツ連盟 |
特定非営利活動法人ヨットエイドジャパン | (日本知的障害者バスケットボール連盟) |
日本障害者自転車協会 | (日本知的障害者陸上競技連盟) |
日本視覚ハンディキャップテニス協会 | (日本知的障害者水泳連盟) |
日本車いすテニス協会 | (日本ハンディキャップサッカー) |
日本障害者ゴルフ協会 | (日本IDバレーボール連盟) |
特定非営利活動法人日本車いすダンススポーツ連盟 | 日本車椅子空手連盟 |
日本身体障害者野球連盟 | 特定非営利活動法人 スペシャルオリンピックス日本 |
日本ゴールボール連盟 | 特定非営利活動法人 日本障害者スキー連盟 |
日本視覚障害ゴルファ-ズ協会 | (日本身体障害者スキー協会) |
社会福祉法人日本盲人会連合スポーツ協議会 | (日本チェアスキー協会) |
日本障害者乗馬協会 | (日本障害者クロスカントリースキー協会) |
日本電動車椅子サッカー連盟 | (特定非営利活動法人 日本知的障害者スキー協会) |
日本障害者ダーツ連盟 | 特定非営利活動法人 日本障害者スポーツ射撃連盟 |
日本ウィルチェアーラグビー連盟 | 日本脳性麻痺7人制サッカー協会 |
日本シッティングバレーボール協会 | 日本視覚障害者卓球連盟 |
日本バリアフリーダイビング協会 | 日本フロアバレーボール連盟 |
日本ボッチャ協会 | 全日本グランドソフトボール連盟 |
全日本視覚障害者ボウリング協会 |
オリンピックに引き続き、ギリシャアテネで9月17日の開会したパラリンピックも大盛況のうち28日に閉幕しました。日本選手団は、オリンピックに続けとばかりに前回のシドニー大会を上回るメダルを獲得し、大活躍を果たしました。選手たちも、それぞれの想いを胸に帰国されました。連日、テレビや新聞などで日本選手の活躍が報道され、障害者スポーツの醍醐味を実感されたことと思います。 そこで、“あの感動を再び”ということで、日本選手団の活躍をまとめました。 |
種目 | 選手数 | 種目 | 選手数 | こん棒投げ |
アーチェリー | 7名 | ウィルチェアーラグビー | 12名 | |
自転車競技 | 4名 | 柔道 | 7名 | |
卓球 | 10名 | 射撃 | 7名 | |
ゴールボール | 6名 | 馬術 | 1名 | |
セーリング | 5名 | 車椅子バスケット(男子) | 12名 | |
車いすフェンシング | 2名 | 車椅子バスケット(女子) | 12名 | |
陸上競技 | 34名 | パワーリフティング | 1名 | |
水泳 | 24名 | シッティングバレーボール | 12名 |
金 | 銀 | 銅 | 合計 | |
柔道 | 1 | 2 | 1 | 4 |
水泳 | 8 | 6 | 9 | 23 |
陸上 | 7 | 4 | 7 | 18 |
自転車 | 1 | 1 | 2 | |
テニス | 1 | 1 | ||
アーチェリー | 2 | 1 | 3 | |
ゴールボール | 1 | 1 | ||
合 計 | 17 | 15 | 20 | 52 |
パラリンピックは終わりましたが、まだまだスポーツの秋!! 最近、機能維持を兼ねて、スポーツや運動をする障害者の方が増えてきています。その一方で、スポーツ障害も増加しています。 理学療法士は障害者のスポーツ障害予防にも取り組んでいくべきだと痛感しています。 (PTっ子)
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