俄か雨しばし軒下お借りする 草積 利行
孫の夢乗せて旅立つシャボン玉 野里 勝子
蝉の声今を生きよと言うように 百瀬 清
とまる蚊を追えぬマヒの手泣かされる 大橋 貴美子
野里猪突 選
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絵:小川 靖さん |
特集:車椅子を作ろう! (1)車椅子の選び方 ごく普通に、何の不自由もなく生活していたのに、病気や事故などで突然下肢に障害を受け、歩くことが困難になってしまったら・・・? そんな時、不自由な下肢に変わって移動を可能にするのが車椅子です。最近は、街中やテレビなどでもいろいろな車椅子を見かけますが、さて、車椅子を作る にはどんなものをどのように購入すれば良いのでしょうか? 眼の悪い方が、自分にあった眼鏡を選ぶように、きちんと適した車椅子を手に入れましょう。 車椅子を選択するときのポイントは、まずどこで使用するか。室内で使用するのであれば、大きすぎず小回りのきくタイプが最適です。そのためには、ハンドリムをはずすといった工夫も有効です。 次に、どんな使い方をするか。まず、駆動を誰が行うか。介助用であれば、握り手の位置が低ければ介助者は腰をかがめて押さなければならず、腰痛の原因になりかねません。自走される場合は、障害の考慮が重要になります。 ここに挙げたことは、ほんの一例ですので、理学療法士などの専門家と相談し、安全で快適な車椅子を取得してください。 (2)車椅子の公的交付制度について |
保険別の交付制度の違い
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利用制度
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利用資格
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特徴
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窓口
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介護保険 | 介護認定で要支援以上と認められた方 | 申請してすぐに支給されるが、レンタルとなりオーダーメイドは不可 | 市町村の福祉課、福祉事務局 |
身体障害者福祉法 (身体障害者手帳) |
医師の意見書があれば、障害等級に関係なく交付 | 世帯の所得により自己負担に差あり | 市町村の福祉課、福祉事務局 |
厚生年金保険 | 厚生年金受給者(障害年金、老齢年金、遺族年金) | 自己負担なし。予算の関係上、年度途中で受付が締め切られる事あり | 社会保険事務局 |
労災保険 | 障害年金への移行が決定した労災保険適応者 | 自己負担なし | 管轄の労働局 |
車椅子の取得は身体障害者福祉法による公的交付制度の利用が主になります。しかしながら、介護保険の被保険者は介護保険が優先され、オーダーメイドの車椅子取得を公的交付制度で行えないことがあります。
身体障害者福祉法で交付を受けるためには、身体障害者手帳が必要です。手帳とは、市町村の障害福祉担当課か居住地の福祉事務所で申請書の用紙を受け取 り、身体障害者認定指定医に書類を作成してもらい、福祉課へ提出した後、約1~3ヶ月後交付されるものです。書類の申請は障害固定後とされていますが、市 町村によって受付時期が異なります。 交付申請の手順は、市町村の福祉課の窓口で車椅子の申請を行い、更生相談所で必要な車椅子の判定を受けます。市町村は判定書が交付されると業者からの見 積書と合わせ申請者に交付券を発送します。この交付券を業者に提出して初めて製品の注文や作製が開始されます。(下図参照)。図 車椅子交付の事務手続きの流れ しかし市町村によっては更生相談所へ行かず医療機関等の医師の意見書と業者見積書の書類申請だけの場合もあります。基本的には給付金額の基準額が決まっ ていますが市町村によっては、意見書により多少のオーバーが認められたり、自己負担金(差額)を加えて高機能な車椅子の取得が行えますが、高額納税者は給 付が不可能な場合があります。 書類提出からの時間的なロスなどありますが、申請者本人だけでなく医療関係者が早くから福祉課窓口に問いあわせて、個人の機能にあったものを手に入れる努力をしましょう。 |
サークル紹介:電動車椅子サッカー
電動車椅子サッカーとは、運動機能の制約の大きい重度身体障害者でも「手・足・口・顎」などを使って電動車椅子の操作ができる方なら、老若男女を問わず、 誰でもチームスポーツの興奮と満足感を味わうことのできるスポーツで、1982年に大阪市長居障害者スポーツセンターにおいて、利用者と指導員により開発 されました。 電動車椅子サッカーのコートは、バスケットボールのコートを使用し両エンドの中央に幅6mのゴールを設けます。ボールをキックする部分として、フットプレートの部分に軽自動車のタイヤを半分に切った物を取り付けます。 出場人数は4人で、2人は時速4.5?、残り2人は時速6?とします。ゴールキーパーは置きません。選手交代の人数に制限はなく、一度交代した選手が、再出場することができます。 関西ブロックの公式大会は、春に行われる「総会大会」、初夏に行われる「日本選手権地区予選大会」、秋に行われる「関西チャンピオンズカップ」があります。全国規模の大会は夏の「ブロック選抜大会」と、秋の「日本選手権」があります。 現在、全国で48チーム(413名)が「日本電動車椅子サッカー連盟」に登録し、関西ブロックには10チームが登録しています。 |
片手で 刺しゅう |
私の生きがい 牧野千香子さん |
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私は平成九年七月、脳内出血で倒れました。半身不随になった私は、八ヶ月の入院生活を経て、退院しました。退院後の私は、あまり外出することもなく日々を 過ごしていました。そんな頃、保健所の方からのすすめで、軽スポーツへ参加させて頂くことになり、外へ出かける機会ができました。 同じ頃「高井田障害者センター」を知りました。軽スポーツや文化教室もあることを聞き、お友達と見学させて頂くことになりました。それが、ハーダンガー教 室「ヨーロッパ刺しゅう」でした。教室に行けるようになり、初めての教室日を楽しみにしていた私は、思うように生地を持つことができず、刺しゅうができな いことにショックを受けました。落ち込んだ私は一日で、次回からの教室をあきらめていました。 そんな時、同じ教室の方から木の枠で作った補助具の話を聞きました。早速家に帰り、主人に補助具を作ってもらう事にしました。補助具を作ってもらったお陰 で、何とか刺しゅうもできるようになりました。教室へ行くのも楽しくなり、今では数多くの作品ができました。教室へ行くようになって三年、二つの教室で補 助具と一緒に、次の作品はどれにしようかと楽しんでいます。一つ作品が増えるたびに、自分の宝物が増えた満足感があります。今年も、十月の作品展に向け て、何を出品するか目下検討中です。 障害者でも、何かができる喜びを生きがいとして、これからも、いい作品を作りたいと思います。 |
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あ | ご案内 この機関紙は、理学療法士が中心となり、障害をもたれた方に適切な情報を提供できるような記事作りを行っています。少しでも多くの方に、読んでいただけるよう、各施設でコピーして配布ください。 |
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あ | あ | あ |
秋風が心地よい季節となりました。 今回の「まあよんでみて」は以前、士会会員対象に行ったアンケートのご要望にお答えしたもので、車椅子交付事業について取り上げてみました。この事業に 限らず制度の内容は、市町村により異なることが多く、こまかな説明ができませんでした。編集部一同、消化不良気味な内容になってしまいましたが、少しでも 参考になればうれしく思います。 ところで、アンケート結果の中に「障害者の生の声が聞けてよかった」というご意見が多数見受けられました。障害者の方々と、日々直接関わる理学療法士なのに意外とも思えることですが、「そうだなあ」と思えるところもあります。 「まあよんでみて」では知っているはず、知っていたつもり、といった意外な話題をお伝えしていきたいと思います。 (大)
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